パンツのサイズが合わない男、ジーパンを買う。

ファッション

「サイズの合うパンツが無いのですよね」これは私がパンツを買いに行くと必ず口にする台詞だ。
「ウエストで合わせると太ももがきつくて、太ももで合わせるとウエストが余るのですよ」と続く。
細身で太ももが太い私は気に入ったパンツがあってもサイズが合わずに諦める事が多いのだ。

そんな私が気に入ったジーパンを買う事が出来た。
その時に良い買い物は合コンみたいな物だなとつくづく思ったのです。

 

GWに名古屋に帰って高校の時の同級生と久しぶりに食事をした。
その帰り道に普段通らない道で帰った際におしゃれな空間を見つけた。
遅かったので既に暗くなっていたので、翌日早速行ってみた。
そこでジーパンと出会ったのである。

その空間は昔スーパーマーケットだった店舗をリノベーションした所らしい。
カフェやイベントスペース、いくつかの店舗が入ったおしゃれな空間になっていた。

カフェでコーヒーが飲みたかったのだが、満員で入れない。
注文をしておいて空いたら呼んでくれると言うのでコーヒーとタルトを注文しておしゃれな空間を見て回る事にした。

ガラスのオブジェの展示、Tシャツのイベントを見てBATHHOUSEと言う雑貨屋に入った。「BATHHOUSEはインテリア雑貨をはじめとした、さまざまなデザイン商品、ジャンルや地域も限定せずに独自の感性のもと幅広い商品を取り扱っているお店で、そのほか、ヴィンテージ品や古書なども取り扱っている」とこの後に登場する店員さんが教えてくれた。

パッと見では興味をひかれる物はなかった。
そこに店員さんが来て説明を始めたのである。
この店員さんは後に店長と分かるのだが、まるで観光ガイドのようだった。「このマグカップは数十年前に作られた瀬戸物だけど、アメリカへ輸出するために海外のデザイナーがデザインした物でデッドストックを逆輸入した物」だとか、
「このスプーンやフォークはベトナムの水牛の角や骨で作っており、素材の表情が違うので1つとして同じ物は無い」など、1つ1つの商品の背景を説明してくれた。
そのおかげでそれぞれの商品に興味がわき購買意欲をそそられた。

そのお店にジーパンが置いてあった。
『Levi Strauss & Co』と書いてあったがジーパンに詳しく無いので意味は分からない。
観光ガイドのような店長に説明してもらおうと思ったところでカフェからお呼びがかかり、コーヒーを飲みにカフェへ移動した。

コーヒーを飲んでいてもさっきのジーパンが気になってしょうがない。
『Levi Strauss & Co』を調べてみるとリーバイスである事が分かった。
リーバイスなら知っている。スティーブ・ジョブスがいつもリーバイスの501を履いていた逸話を聞いた事があり、良いなと思っていた。
更に調べたところ、リーバイスは2004年にアメリカ工場を閉鎖しており、今ではアメリカで作っていない事が分かった。
それを知ってしまったら俄然アメリカで作ったリーバイスが欲しくなってきた。

美味しいコーヒーとタルトを食べ終わったら、すぐにBATHHOUSEに戻って観光ガイド店長にジーパンを説明してもらった。
「ジーパンはアメリカ産まれなのでアメリカ製にこだわっている。ヴィンテージまで行くと高過ぎるので、アメリカ生産が終わる少し前くらいの手頃な価格のジーパンを揃えている」との事だった!
まさにさっき調べて私が欲しいと思ったジーパンではないか! 色も良いし、欲しいと思った。

問題はサイズである。
何せ既製品でサイズが合うパンツはほとんど無いのである。
しかし、商品はとても気に入ったのでダメ元で試着をしてみた。
そうしたら何と言う事か、サイズがピッタリではないか!
ウエストが余る事も無く、太もももきつくない。
「レングスは長めに作られているはずなのに長さもちょうど良いですね」とガイド店長が言うくらい裾の長さもピッタリなのだ。

もうこれは買うしかないと決断をした。

 

帰って調べたところ、1996年5月に作られたジーパンである事が分かった。
私が18歳の時にアメリカで作られたジーパンが27年の時を経て日本で私が履いている。
なんとも不思議な気持ちになると共に愛着がわいた。
大切に使い込んで育てて行きたいと思う。

 

合コンという一期一会の出会いの場において自己紹介で気に入った相手が、話してみたら相性も良い事が分かったけど、勇気がなく連絡先を交換出来なかったら後悔する。
買い物も同じだなと思うのである。
たまたま入った店で、説明された商品がとても気に入り、サイズもピッタリ。
これは買わないと後悔するヤツだと思った。
皆さんも気に入った商品と出会ったら後悔の無いように決断をしましょう。

 

【私がジーパンを買ったBATHHOUSEはこちら】

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