「こんな寄席があるけど行ってみない？」かべちゃんが興味を持っているちょっと変わった落語の寄席に誘ってみた。異色のコラボ寄席に行って人生を楽しむコツを見つけた、そんな話です。
私はカードゲームが好きです。高校生の頃、近所の大型ショッピングセンターでMTG(Magic The Gathering)を見つけて、なんか格好いいと思い購入した。インターネットも無い時代だったので付属の説明書を自力で解読し、弟や近所の友達と遊び始めたのがきっかけだった。常々、かべちゃんとMTGをやりたいと思っており、何度か誘った事はあるが興味を示してはくれなかった。
かべちゃんは落語に興味を持っている。演芸場に通うほどには熱心では無く、ちょっと変わった寄席があると行きたがる。屋形船のお花見クルーズ寄席や、都電落語など。都電落語では今は亡き林家こん平師匠にお会いできたのは良い思い出である。aikoと立川談春の異色コラボイベント玉響で落語を聴いた事もありました。
今回、かべちゃんを誘ったのはなんとMTG寄席！ かべちゃんに見せたTwitterの画面にはMTGのカードのフレームに三遊亭金の助さんという落語家さんが映っており、カードの説明書きの部分に寄席の詳細が書かれているという面白い画像が映っていた。リシャーダと言うカードゲームバーで働いている三遊亭金の助さんがお店のオープン前に寄席をすると言うイベントらしい。
三遊亭金の助さんという落語家さんをこの時初めて知った。調べてみるとちょっと変わった落語家さんだった。ウィキペディアでは受賞歴に新潟国体ボクシング3位とあった。人物の項を見るとトレーディングカードゲームが趣味とある。Twitterにはミニ四駆も趣味だと書いてある。ボクシングとカードゲームとミニ四駆と闇鍋のような落語家さんで、興味が湧いたので行ってみる事になった。
土曜日の朝、寄席が開催されるカードゲームバーに行ったら予想以上に盛況で用意されていた椅子では足りず追加で椅子が出される程だった。
いかにもMTGをやり込んでいそうな雰囲気の人達の他にカップルも数組、金髪のヤンキー兄ちゃんとアイドルのようなカップルまでいた。後で知った事だがこのヤンキー兄ちゃんはなんと新進気鋭のプロボクサーだった！ 過去にボクシングをやっていた三遊亭金の助さんならではの繋がりかもしれない。
始まった三遊亭金の助さんの落語は面白かった。落語を知らなそうなMTGプレイヤーにMTGの話題をちりばめながら、落語とはどんな物かを易しく説明し、陰陽の手の形からいつの間にか『皿屋敷』の本編に入っていた。落語を聴いていていつも凄いと思うのはこの導入の上手さだ。『皿屋敷』は怖い話かと思っていたが、コメディで面白かった。休憩をはさんで三遊亭金の助オリジナルのMTG落語もMTGを知らなくても楽しめるお話になっていて、MTGを知らないかべちゃんも楽しめたようだ。
寄席が終わり、カレーを食べている時にMTGやってみないかとかべちゃんに聞いてみたら「やる」と言う。早速リシャーダに戻ってジャンプスタートブースターと言うすぐ遊べるパックを買って遊んでみた。今までいくら誘っても興味を示さなかったかべちゃんが初めてMTGをプレイした瞬間だ。ずっとかべちゃんと一緒にMTGで遊びたいと思っていたので、リシャーダでひっそり感動していた。ありがとう三遊亭金の助さん！ あなたのおかげで悲願が果たせました。
その後も時間がある時にかべちゃんとMTGで遊んでいる。MTGはルールが複雑なので、まだプレイはぎこちないけど、少しずつルールもカードも覚えてきたのでスムーズに遊べるようになる日も近い。かべちゃんは頭が良いのでコツを掴んだら強くなるだろう。お互い負けず嫌いなので喧嘩にならないように楽しめたらと思う。
私は以前、落語には興味は無かった。しかし、かべちゃんに連れられて何度か聴くうちに落語の面白さを知る事が出来た。今回はMTG寄席という異色コラボにより、かべちゃんがMTGをプレイするきっかけとなった。それもかべちゃんが私の趣味であるMTGに興味を持ってくれたからだ。夫婦円満のコツはパートナーの興味がある物に興味を持って一緒に楽しめるかだと思う。いままで自分に興味の無かった分野に新しく興味の幅を広げていく事は人生を楽しむコツだと思う。
今回、私たち夫婦の人生を楽しむコツと夫婦円満のコツは落語の寄席とカードゲームにありましたが、皆さんは全く別のところにきっと隠れていますよ。今まで興味の無かった物に目を向けてみたり、パートナーさんが1人で楽しんでいる趣味に首を突っ込んでみたりしてみてはどうでしょうか？ きっと新しい世界が開けますよ。 三遊亭金の助さんは今度、ミニ四駆寄席をやるそうです。Twitterで見つけて、かべちゃんに見せたら、興味津々。ミニ四駆をやった事が無いのでやってみたいという。我が家ではまた新たな世界への扉が開かれそうです。
