異色コラボ寄席は沼への入口?(https://szkb.net/2023/07/31/essay0026-2/)からの続きです。
「あー時間が無い」ミニヨンランチ寄席の当日、朝からミニ四駆を作っていた。あらかじめ買っておいたシューティングスターをまだ作っていなかったのだ。やっぱり昔よりも難しくなっている気がする。もしくは不器用になった?
なんとか作り終えてすぐに出発した。ミニヨンランチ寄席の開場は都電荒川線の終点、三ノ輪橋にある『Viva!Base 三ノ輪橋』だ。『Viva!Base 三ノ輪橋』は1階が飲食店、2階が『Mini4wd Geeks』というミニ四駆ステーションになっている。1階の飲食店は昼と夜で変わるようで、昼は『スマイリーテーブル』というヘルシーランチのお店、夜は『吉まぐれや』という荒川おでんが美味しい居酒屋になるようだ。
都電で三ノ輪橋まで行き、時間ギリギリにお店に入った。以前行ったリシャーダ寄席という異色コラボ寄席で知り合った落語家の三遊亭金の助さんが出迎えてくれた。予定の12:00を少し過ぎたところでミニヨンランチ寄席が開始された。いい感じにお腹を空かせて来たのだが、ランチは落語を聴いてからという事でお腹を空かせて聴く事になった。落語にも空腹が最高の調味料になる事を期待したい。
ミニヨンランチ寄席では三遊亭金の助さんと三遊亭栄豊満さんの2人でやるそうだ。最初は落語家による漫才があると聞いて驚いた。落語家さんは漫才も出来るのだと感心した。スイーツに関する漫才で空腹を刺激され、プリンが食べたくなった。
続いて金の助さんの落語が始まった。『青菜』という話だった。前半と後半で同じようやり取りが繰り返されるお話だったが、上品な隠居と植木屋が上手く演じ分けられていて飽きは来なかった。とても暑い日だったので、鯉の洗いで冷酒を飲むシーンなどはとても涼しげに感じられた。漫才に続いて食べるお話だったので、どんどんお腹が空いていく。
続いて栄豊満さんが高座に上がった。漫才の時に「えいとまん」と名乗った気がしたのだが、そんな名前の落語家さんがいるのかと思っていたが、本当に「えいとまん」と言うらしい。師匠から名前をもらった時のエピソードを話してくれたが、もらった本人も「まじで?」と思ったそうだ。
栄豊満さんの落語は「『し』の字嫌い」だった。『し』の付く言葉を入ったら負けのゲームをするお話だ。演じている時にうっかり『し』を言ってしまうとそこで話が終わってしまうのではないかとハラハラしながら聴いていた。演じるのがとても難しい話だと感じた。『し』を封じられたら私は名乗れないなと思って面白く聴かせてもらった。
栄豊満さんの落語が終わって、ようやくランチが始まった。スマイリーテーブルさんが作ってくれた夏野菜一杯のメニューだった。カボチャのサラダはレーズンがアクセントになっていて美味しかった。ゴーヤのスープもスープにゴーヤの苦味が移っており、初めての味わいだったが病みつきになりそうだ。店主のまりこさんからメニューの紹介があり、土用の丑が近いので鰻を入れたかったが予算的に厳しくて無理だったとお話があったが、どれも美味しく大満足だ。料理が美味しかったので、クッキーを追加注文、このクッキーも美味しかった。
後半は金の助さんによるミニ四駆落語だ。ここまで黙っていたが、2階のミニ四駆ステーションは開店しており、実はずっとミニ四駆の走る音が聞こえていたのである。ミニ四駆と落語を一緒に聴けるのはここだけかもしれない。落語は定年おやじが定年後にミニ四駆を始める話だった。こないだミニ四駆を作ったばかりなので金の助さんのミニ四駆を作る所作が理解できて面白かった。
寄席はここまでで、続いて2階に移動してミニ四駆の交流会だ。常連さんのお二人と2階に上がる。6帖くらいのスペースに3レーンのコースとミニ四駆を組み立てるテーブルがいくつか置かれた空間になっていた。交流会は素組で行うと言われた。『素組』は「すぐみ」と読み、ミニ四駆を箱から開けて、一切改造せずにそこに入っているパーツだけ作るという意味だと教えてもらった。なるほど、それならミニ四駆歴に関係なく楽しめる。マシンの性能に大きな差が無いので丁寧に作った方が早くなるという事だ。
私と妻、常連のお二人、金之助さんと栄豊満さん、前回優勝者と近所の子供という8名でレースが開催された。1vs1で対戦するトーナメントを3回行って、それぞれの勝者で優勝決定戦を行う形式だった。ミニ四駆の世界は奥深く、電池によって速さが異なるそうだ。ミニ四駆界では電池を育てるという言葉があるらしい。公平を期すために電池は貸してもらった。
カードで対戦相手を決めていよいよレースが始まった。F1のスタートのようなシグナルがあり、シグナルが赤から青に替わったらスタートだ。電池のおかげなのか素組でも十分早い。マシンによってはコースアウトするマシンもある程だ。接戦のレースも多くとても盛り上がった。3回目のトーナメントで勝ち上がって決勝戦に出場したが、決勝戦ではすぐコースアウトしていまい不完全燃焼で終わってしまった。
結果は残念だったが非常に面白かった。今日初めて会った人ばかりで世代も性別ちがうのに、共通で楽しめる物があるとこんなにも簡単に打ち解けられるかと不思議な気持ちになる。レースが終わった後には『Mini4wd Geeks』のマスターが色々教えてくれて、改造のアドバイスをもらいその場で改造もした。同じ趣味を始める人がいるのは嬉しい事なのか皆さんとても親切に楽しく教えてくれた。
ミニヨンランチ寄席という異色のコラボ寄席に興味を持ったところから、新たな趣味の沼にはまってしまった。今日色々見聞きしたところによるとこの沼はかなり深そうだ。溺れないように気を付けながら、この新しい沼を楽しんでいきたいと思う。皆さんも興味を持った事があれば参加してみると良いですよ。新しい出会いがありますし、新しい沼にはまるきっかになるかもしれません。ちなみにミニヨンランチ寄席では素組のミニ四駆を借りられるのでミニ四駆持っていなくても参加出来ます。一緒にミニ四駆を楽しみましょう。