書く事はどこでもドア

ライティング

「うーん、ネタが無い」とか「明日が締め切りだから今日は集中させて」など、ライティングゼミに通うかべちゃんがサザエさんのいささか先生みたいになっていた。端から見ていて面白そうだと思い、私も『人生を変える「ライティングゼミ」』に通う事にした。

ライティングゼミでは毎週課題の提出がある。何を書こうか考えた結果、自分の好きな物を書こうと思った。好きな物を一覧にしてみた結果、一番好きなのはかべちゃんだと思い、かべちゃんを題材に『かべちゃんはどこでもドア』を書いた。ライティングゼミでは提出した課題をフィードバック担当の方が読んで、独自の評価基準を満たしているかを判定してくれる。基準を満たしていない部分についてはフィードバックがもらえ、基準を満たしていれば合格となる。私が初めて書いた文章は合格だった。

書いた物を読んでもらおうと思い、ブログを作ってアップした。Facebookで宣伝したところ、思わぬ反応があった。会社の後輩OBから返信が来たのだ! この後輩くんはFacebookで繋がってはいるが、今まで一度も反応してくれた事は無かった。そんな後輩くんの反応は全く予想外の物だった。

「めちゃくちゃいい記事だと思いました。『結婚するなら価値観が違う人がお勧めです』の部分について自分もそうだと思います。一緒に仕事していて落ち込んでいた時、奥さんと一緒にカラオケに連れて行ってもらい、奥さんからの一声が今でも心に残っています。今では私も結婚してかべちゃんと過ごす時間が楽しいです」と要約するとこんな感じの長文の返信があったのだ。

コンテンツとして誰かに届いた事がとても嬉しかった。しっかりと理論を身に付けて書く事で読んでもらえる文章を書く事ができるという事も感じられた。この反応を読んでかべちゃんは少し泣いていた。私の書いた文章が色々な人に影響を与えている事を感じて不思議な気持ちになった。

その後もライティングゼミに通い続けて課題投稿した記事についてフィードバックを修正してブログにアップし続けた。『タングルティーザーはかっぱえびせん』と言うヘアブラシの記事でも今までコメントをくれた事の無い大学時代の女友達から「私も欲しくなったー!」と反応があった。高校時代の女友達からは「誰の紹介文よりも購買意欲を掻き立てられた」という嬉しい反応があった。何より驚いたのは母からも使っていると反応があった事だ。

そんな中、会社の上司である部長から会社のホームページに載せる開発実績を書いてくれないかと依頼があった。私は仕事でシステム開発を行っており、実際に行った開発の内容を会社のホームページに掲載する事で会社のアピールを行っている。毎年部門から1つか2つのシステムが対象になるのだが、今年は私が担当したシステムに白羽の矢が立ったようだ。

今までに書いていた開発実績では事実だけを並べた面白味の無い文章だった。しかし、それでは面白く無いと思い、ライティングゼミで習った事を実践してみた。今までに掲載されていた開発実績とは雰囲気の異なる文章になってしまったが、注意されたら書き直せば良いと思いそのまま提出した。部長からも特に指摘は無くそのまま会社のホームページに掲載された。

ある日部長から話があると切り出された。なんと、ホームページに掲載された開発実績の文章を読んだある企業から問い合わせがあったと言うのだ! うちの会社のホームページを読んでいる人が居る事にも驚いたが、私の文章がその企業の人に問い合わせと言う行為をさせた事実に衝撃を受けた。書く事は人を動かす事も出来るのだと感じた。

4ヶ月のライティングゼミも先週最終講義があった。課題の提出もこれが最後だ。正直、『人生を変える「ライティングゼミ」』に通って、書く事を習っても人生は変わらないと思っていた。しかし、4ヶ月の間に私の書いた文章で色々な事が起こった。書く事で新たな世界への扉が開く、まるでどこでもドアだ。これからの人生では書く事でどんな世界へ行けるのか今から楽しみである。

最初の講義で講師の三浦さんが「学校で書く事について教えていない。日本で文章の書き方を習った事がある人は少ない」と言う意味の事をおっしゃっていた。確かにそうだと思う。何故、こんなにも面白く楽しい事を教えてくれなかったのかと悔しく思う。これを読んで書く事に興味を持った方は学んでみると良いと思います。学ぶのに遅すぎるという事はありません。ライティングゼミの同期に70代の方がいらっしゃいましたが、エネルギッシュで素敵な方でした。みんなさんもどこでもドアを手に入れましょう。

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